【米国株紹介】ハンチントン・インガルス・インダストリーズ(HII) 原子力空母を製造できる世界で2社のうちの一つ

 

トランプ氏が就任した時に「トランプ銘柄」として挙げられたうちの1社がハンチントン・インガルス・インダストリーズ(ティッカーシンボル:HII)Huntington Ingalls Industries。今更ながら、紹介したいと思います。

 

同社のKey facts

  • 原子力空母を製造出来る米国内で唯一の企業(世界レベルでみるともう1社あり、フランスのDCNS)
  • 原子力潜水艦を製造出来る米国内で2社のうちの一つ。(もう1社はジェネラル・ダイナミクス・エレクトリック・ボート)
  • 主な拠点は、インガルス造船所(ミシシッピ州)とニューポートニュース造船所(バージニア州)
  • インガルス造船所はイージス艦や強襲揚陸艦等を建造し、ニューポートニュースでは空母や潜水艦を建造
  • アメリカ海軍の水上戦闘艦の最大の供給者
  • ミシシッピ州内では最大の雇用先、バージニア州では製造業で最大の雇用先
  • 現在の最大のプロジェクトは、原子力空母フォード級(wikipediaによると1隻あたり130億ドル、約1.4兆円

 

株価は?

過去5年の株価の推移は以下の通り

元々米国経済が好調だったのに加えて、トランプ旋風、北朝鮮危機で株価は上昇。一方で米朝会談等で和解ムードが広がった為、5月前後に下がったまま現在推移中。

 

国策企業は安泰か?

確実な受注が見込める同社だが、本当に安定的かと問われればかなり怪しい。

同社の課題は以下の通り

  1. ・LCS(沿海域戦闘艦)やズムウォルト級でアメリカ海軍は失敗しており、各国が独自のステルス艦の整備を進める中、アメリカ政府の新型水上戦闘艦の方針が見えない(同社の課題というよりも、アメリカの政策の問題でもあるが)
  2. ・原子力空母や原子力潜水艦は輸出困難―アメリカは原子力空母や原子力潜水艦を輸出していないので、世界的に拡大する空母や潜水艦需要に応える事が出来ない。(米中露以外のミドルサイズの国家では、通常動力型がデフォルト)
  3. トランプ大統領が進める鉄鋼・アルミへの関税賦課が将来的な造船価格にどのような影響を与えてくるか?(下記のロイターの記事では、同社は鉄鋼の供給者と長期的な契約を結んでいる上に、軍事産業では国内の鋼材を使っている為、短期的な影響を否定しているものの、価格の上昇が国内鋼材価格にも影響を与えることを示唆)

https://in.reuters.com/article/huntington-us-steel/huntington-ingalls-says-steel-tariffs-wont-raise-prices-for-now-idINL1N1RN1C8

 

北朝鮮危機が再燃すれば別ですが、今後の見通しは不透明。軍事産業に注目するのであれば、兵器製造そのものだけではなく、兵站や情報活動を担っている企業をウォッチしてみると面白いかもしれません。

 

CDR(中国預託証券)解禁へ?

 

先日Xiaomi(小米)上場の際のインタビューで、CDRを延期するとの言及がありました。大きなニュースのはずだったのですが、あまり話題にならなかったので掘り下げてみます。

XiaomiのIPOは下記参照

【中国株紹介】Xiaomi 小米上場へ インド市場が命運を握る

CDRとは?

CDRとはChinese Depositary Receiptの略で、中国預託証券と訳します。アリババやテンセント等の中国のIT業界を率いる巨人達は、中国国内ではなくアメリカや香港で上場している為、中国国内の投資家が株式を購入するのは障壁が高くなっています。

 

そこで導入されようとしているのが、CDRつまり他国で上場している株式を人民元建てで取引出来る様にする制度です。中国国内の信託銀行に証券を預け、受領書(Receipt)を発行してもらうことで、実質的に株式を保有出来ます。

 

モデルはライバルのあの国

導入にあたって参考にされているのがアメリカのADR(American Depository Receipt)で、日本も含む各国の企業の株式がアメリカで取引出来る制度(米ドル建て)です。日本企業では、ソニーやパナソニック、クボタ等がADRに登録されています。

 

最初のCDRはどの企業か?

当初は香港に上場するXiaomiがCDRの第一号となるとの見方もありましたが、延期。NASDAQに上場している検索大手のBaidu(百度)がCDR第一号になる可能性があります。

 

https://technode.com/2018/06/26/baidu-considers-cdr/

 

日本の投資家への影響は?

あくまで対象は中国国内の投資家であって、日本の投資家が直接影響を受けることはありませんが、中国国内の評価と国外の評価が大きく異なることは往々にしてあることなので(文化的違いや所与の情報の違いによる)、一気に中国国内の投資家の資金が流入し、海外で上場している中国企業の株価を押し上げる可能性があります。

また、中国国内での評価が高い日本企業(特にブランド力のある資生堂等)の企業がCDRを行えば、中国国内の投資家がこぞって買いに走るかもしれません。

 

【中国株紹介】Xiaomi 小米上場へ インド市場が命運を握る

スマホ製造大手のXiaomi(小米)の香港株上場が7月9日に決定。

日経によると調達額は370億~480億香港ドルで、現時点では2018年最大のIPOとなる見込。

 

中国スマホ業界の動向

調達した資金で海外展開や研究開発に投入するとしているが、その背景には本国中国での熾烈な競争がある。中国のスマホメーカーはHuawei, Xiaomi, Oppo, Vivoの4社の寡占状態になっており、特にこの2・3年はOppo, Vivoの猛追が顕著。

 

実際にはOppoとVivoは同じ系列の会社なので、Xiaomiは他の2グループに比べてかなり出遅れている。

 

Xiaomiの活路はどこに?

寡占状態の市場で新規拡大は難しいと判断したのか、Xiaomiはインド市場に注力する模様。同社はインド市場で30%のシェア(2018年1Q)を誇っており、首位。

今後は中国から輸出するのではなく、インド国内での製造に大きく舵を切っていくようだ。

記事は下記

https://bit.ly/2tG1Jzp

 

この動きを裏付ける様にインド政府の中がスマホの輸入に規制を掛ける可能性があり、他の中国スマホメーカーもインド国内での生産に追随していくかもしれない。

以下Bloomberg記事

https://bit.ly/2lE4MEt

 

インド市場飽和の先は?

インド市場も遠くない未来の内に寡占状態になるはずで、その時には無尽蔵の人口を抱えるアフリカ諸国市場を目指すことになるだろう。しかし既にアフリカ市場は中国の無名格安メーカーが蚕食しているので、どの時点でどの価格帯の商品を投入していくのかが問われそうだ。