【中国株】二季報 2018年夏秋号を読む

日本株の投資家が四季報を読み込む様に、中国株をスクリーニングする為には資料が必要なので、DZHフィナンシャルリサーチの「中国株二季報 2018年夏秋号」を初めて購入しました(これまでは図書館で借りるだけでした)。

当然著作権があるので、各個別ページを紹介することは出来ませんが、独自のスクリーニングの結果、気になった銘柄を記しておこうと思います。

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【中国株紹介】貴州茅台酒(マオタイ)酔いも醒める時価総額は15兆円!?

 

中国株の不思議さを如実に物語る1銘柄をご紹介。中国以外の国では知名度ゼロに近い貴州茅台酒。上海A株という元々国内投資家向け区分の1銘柄(現在は日本人も購入可能)。

 

そもそも茅台酒って何?

茅台酒(マオタイ)とは、コーリャンから作られる蒸留酒で、アルコール度数が高く、宴席等で出される「国酒」とのこと。ちなみにAmazonでも購入出来ます。(500mlで22,450円とかなりお高め)http://amzn.asia/5TBwYrI

 

主要事業

同社は様々な価格帯で提供しているが、特に高級白酒(蒸留酒)では50%以上のシェアを持つとアイザワ証券の資料の記載。金正恩総書記の訪中の際に晩餐会で提供された位ですから、国家お墨付きのお酒です。(ちなみに田中角栄総理訪中の際には、周恩来総理との晩餐会でも提供されています)

http://www.aizawa.co.jp/documents/reports/meigara/asia-600519-SS.pdf

 

ちなみに株主をたどっていくと貴州省政府が実質62%を保有していることが分かる(同社HP記載の2017年度事業報告書)。

http://www.moutaichina.com/uploadfile/2018/0328/20180328084945968.pdf

 

株価は?

株価の10年来推移は上記の通り。2016年から2017年にかけて指数関数的に駆け上がった後、2018年は700元台を推移中。

時価総額は8,970億元。現在の人民元レートは16.64円なので、時価総額は14.9兆円!14.9兆円という時価総額がどれだけ大きいのか比較する為に日本に置き換えてみる。日本の全ての上場企業の中で時価総額が貴州茅台酒を越えているのは我らが盟主トヨタ自動車のみ。さらに、5大商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)の時価総額合計とほぼ同水準。

ちなみにBloombergのサイト(下記参照)ではPER30.45倍、PBR8.97倍。株価が余りに高すぎるのは誰の目にも明らか。適正水準は現在の1/3程度だろう。少なくとも現在は買い時ではない。株を買うくらいなら、マオタイそのものを買って、プレミアが付くのを待つ方がいいかもしれない。

https://www.bloomberg.com/quote/600519:CH

 

今後は?

茅台酒の今後の動向は、共産党が決めると言っても過言ではないでしょう。何故かというと、茅台酒は贈答用としての需要が大きく、腐敗政治への締め付けの緩急によって左右されるからだ。中国共産党内の腐敗を取り締まる部署は中央規律検査委員会(つい先日まで習近平氏の腹心王岐山氏が書記を勤めていた)で、現在の書記は趙楽際氏(政治局常務委員で序列6位)。王岐山氏が同職を退いた後、趙氏の活躍はあまり目立っていない。むしろ注目を集めたのは国家監察委員会が設置されたことだ。共産党と国家組織の両輪で腐敗撲滅運動が進めば、茅台酒の潜在的ニーズに更に歯止めをかけることになるだろう。

 

同社の国内需要は政治的要因によって左右されてしまうので、高止まりの株価をむしろ利用して、国外のワイナリーやビール会社を買収したり、国産ワインの製造を強化する可能性もありそう。

 

結局、政治動向によって市場が左右される中国の奇怪さ(面白さでもある)を反映した銘柄という結論になりそうです…。

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CDR(中国預託証券)解禁へ?

 

先日Xiaomi(小米)上場の際のインタビューで、CDRを延期するとの言及がありました。大きなニュースのはずだったのですが、あまり話題にならなかったので掘り下げてみます。

XiaomiのIPOは下記参照

【中国株紹介】Xiaomi 小米上場へ インド市場が命運を握る

CDRとは?

CDRとはChinese Depositary Receiptの略で、中国預託証券と訳します。アリババやテンセント等の中国のIT業界を率いる巨人達は、中国国内ではなくアメリカや香港で上場している為、中国国内の投資家が株式を購入するのは障壁が高くなっています。

 

そこで導入されようとしているのが、CDRつまり他国で上場している株式を人民元建てで取引出来る様にする制度です。中国国内の信託銀行に証券を預け、受領書(Receipt)を発行してもらうことで、実質的に株式を保有出来ます。

 

モデルはライバルのあの国

導入にあたって参考にされているのがアメリカのADR(American Depository Receipt)で、日本も含む各国の企業の株式がアメリカで取引出来る制度(米ドル建て)です。日本企業では、ソニーやパナソニック、クボタ等がADRに登録されています。

 

最初のCDRはどの企業か?

当初は香港に上場するXiaomiがCDRの第一号となるとの見方もありましたが、延期。NASDAQに上場している検索大手のBaidu(百度)がCDR第一号になる可能性があります。

 

https://technode.com/2018/06/26/baidu-considers-cdr/

 

日本の投資家への影響は?

あくまで対象は中国国内の投資家であって、日本の投資家が直接影響を受けることはありませんが、中国国内の評価と国外の評価が大きく異なることは往々にしてあることなので(文化的違いや所与の情報の違いによる)、一気に中国国内の投資家の資金が流入し、海外で上場している中国企業の株価を押し上げる可能性があります。

また、中国国内での評価が高い日本企業(特にブランド力のある資生堂等)の企業がCDRを行えば、中国国内の投資家がこぞって買いに走るかもしれません。

 

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