メルケル女史はドイツ銀行を救済するか? その背後にはあの人が!?Vol.2

《続き》

メルケル女史はドイツ銀行を救済するか? その背後にはあの人が!? Vol.1

海南航空成長の陰にはあの投資家が

王岐山が海南航空の伸長の背後にあったのは事実だが、彼が有力政治家として頭角を現してきたのは北京市長となった2004年あたりで、元々国民党支持の家庭に生まれていたこともあり、彼のキャリアは途中までは傍流と言っても差し支えないものだった。

では、海南航空が拡大出来た鍵を握るのは誰なのか?意外にもここで、ジョージ・ソロスの名が登場する。「イングランド銀行を潰した男」として知られる投資家(投機家)だ。

海南航空の共同創業者の陳峰氏が創業間もない1995年の時点でソロスに会う為にNYまで行き、同社への資金拠出を説得している。1993年創業でたった1機のB737からスタートした同社の経緯を考えれば、異例の投資だろう。

https://www.washingtonpost.com/business/for-hainan-airlines-chen-feng-rise-of-resort-in-china-provides-lift-for-a-new-sky-empire/2014/05/22/d4bb7508-d9fb-11e3-b745-87d39690c5c0_story.html?noredirect=on&utm_term=.ab48be30b280

ソロス氏は既に海南航空から手を引いているとの報道もあるが、ソロス氏はBrexit国民投票時にドイツ銀行株の空売り(Short-selling)を行う等、ドイツ銀行株に関心がある模様。ひょっとしたら、海南集団によるドイツ銀行株取得に関与していた可能性もある。

 

メルケル女史によるドイツ銀行救済(Bail-out)はあるのか?

ここからが本題。ドイツ政府はドイツ銀行を救済するのだろうか。少なくとも現時点ではないだろうと想定。同社は世界規模で業務の見直し・圧縮を進めており、その結果が見えてくる前に早々に救済措置を行うことは国民に対する説明責任を果たせなくなってしまうからだ。

それした業務見直しを行ってもなお結果が出なければ、国内2位のコメルツ銀行との合併の話も現実味を帯びてくるかもしれない。実はドイツ政府はコメルツ銀の株式の約15%を保有しており、一定の影響力を保持している。2008年のリーマンショック後に同行支援の為に株式を買い取り、現在まで保有し続けているが、フランスのBNPパリバ等が買取申出した際に話が纏まらなかった模様。その背景に、ドイツ銀行との合併の構想があったのかもしれない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-03-27/P68OSN6JIJUV01

さすがに4期連続赤字は経営不安に拍車をかけるので懸命に事業再編に取り組んでいるとのことですし、18年度2Q決算は7月末頃に発表されるはずなので、まずはその2Q決算に注目したいと思います。業績如何によってはコメルツ銀との合併の機運が高まりそうです。

【参考】

海南集団の資本関係についてはFinancial timesの記事の中でUBS作成のチャートを紹介しているが、凄く複雑。

https://ftalphaville.ft.com/2018/02/23/1519404195000/HNA-via-GAR–The-mystery-of-Deutsche-Bank-s-largest-shareholder/

 

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メルケル女史はドイツ銀行を救済するか? その背後にはあの人が!? Vol.1

欧州金融機関の中でも特に危機的状況にあるのが、欧州の盟主ドイツ最大の金融機関ドイツ銀行(Deutsche Bank)

株価は?

NYSEの過去10年の株価は以下のチャートの通り。2008年のリーマンショック後よりも遥かに低い水準を推移中。ちなみにイギリスのバークレーズも比較対象に置いてみました。

ドイツ銀行(NYSE)

バークレーズ(NYSE)

 

現在のドイツ銀行の状況は?

  • 2017年決算は3年連続の最終赤字
  • 2018年FRBのストレステスト(健全性審査)に落第。大手行では唯一
  • 世界的な業務見直し実施中(人員削減)

このようにドイツ銀行の業績には赤信号が灯っています。

 

ドイツ銀行不振の原因

ドイツ銀行不振の原因は以下の資料で分かりやすく纏まっています。

http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/2017/2017win08web.pdf

要約すると以下の通り

  • 住宅モーゲージ担保証券の不正販売を巡る訴訟で、米司法省に72億ドル支払を余儀なくされた
  • 自己資本比率の水準に応じて利息が支払われる社債において、利息の支払可能性に疑義が生じた(その為、債券価格が下がり、資金調達が難しくなった)
  • 元々のドイツ国内でのシェアの低さ
  • 自己勘定取引業務の縮小傾向が業界全体としてあるも、スイスのUBSやクレディスイスの様に富裕層向け金融業務や、バークレーズの様に法人貸付やクレジットカードの等での強みがドイツ銀行には無かった

 

ドイツ銀行の主要株主は中国のあの会社

現在のドイツ銀行の主要株主は7.6%を保有している海航集団。1993年に設立された海南航空を主体とするグループで、中国では4大航空グループの内の一つ。中国の他の大手(中国国際航空、東方航空、南方航空)が国営企業から派生しているのとは異なり、海南航空は完全な民間企業。

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-04-22/hna-cuts-deutsche-bank-stake-reversing-commitment-from-february

同社はバブル期の日本企業を想起させるように脈絡無く海外の企業に投資を進め、過重債務の為、現在は経営危機に見舞われている。ちなみに同社はホテルチェーン・ヒルトンの株式も25%保有していたが、最近手放した模様。

 

その背後にはあの大物が…

そもそも国の規制が強い航空業界において1993年に創業した企業が何故わずか25年で大手航空会社の一角にまで成長したのだろうか?

海南航空の背後にいると言われているのが王岐山氏。現在の国家副主席。習近平氏とは文化大革命の下放の際に陝西省で出会った50年来の関係。同氏は政治局常務委員に入っていない(慣習上年齢制限に引っかかり入れない)為、現在序列8位だが、習氏の信任は特に厚いと言われている。同氏の親族が海航集団の経営に深く関わっていると言われているが、メディア検閲対象になっている為、詳細は不明。

 

海南集団にはもう一人の大物が…

実は海南集団を創業期から支えてきたとある世界的実業家がいるのですが、続きはVol2で紹介します。

《続く》

メルケル女史はドイツ銀行を救済するか? その背後にはあの人が!?Vol.2

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サウジアラムコ 世界最大の上場企業誕生か!?

サウジアラビアの国有石油会社サウジアラムコが、2018年から2019年にかけて上場を目指しています。

規模に比較して知名度が低い同社ですが、Bloombergによると世界で最も利益をあげている企業とのこと。2017年上半期だけで純利益338億ドル(下記リンク参照)

https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-04-13/the-aramco-accounts-inside-the-world-s-most-profitable-company

同様の事業を行っているエクソンやシェル等の石油会社と比較しても、石油ガスの生産量、純利益では遥かに上回っている上に、借入金は遥かに低い水準。

サウジの皇太子は市場価値は2兆ドル(約220兆円)あると述べているが、その5%を放出するという大型IPOを待望しているのは世界の証券市場。ニューヨーク、ロンドン、香港あたりが上場先の候補のよう。

当然IPO時点の同社の価格はその時点の原油価格に大きく左右される(むろん未来の原油価格も考慮される訳だが)

6/22からOPEC会合が始まりますが、上場に向けて2018年後半から2019年にかけて減産を進めて原油価格を上げて、IPO調達額を高めていきたいサウジの動向が注目されます。

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