コンサルティング会社のマッキンゼーの調査部門マッキンゼー・グローバル・インスティチュートが2019年7月に”Asia’s future is now”(アジアの未来が今まさにやってきた)を公表したので、早速読んでみました。
ちなみに以前にはPWCの世界経済予測のレポートも紹介していますので、是非ご一読下さい。
概要は?
最もこのディスカッションペーパーの本旨を如実に示しているのが、冒頭の部分です。そのまま翻訳してみます。
”長年西洋の観察者やメディアは将来の大きな可能性の観点からアジアの勃興について話してきた。しかし、世界の他の地域の人々が考えを更新する時がやってきた。なぜならその未来が予想されたよりも一層早くやってきたからだ。”
このペーパー全体をまとめてみると、アジア諸国が「世界の工場」から「世界の消費地」に変わりつつあり、ユニコーン企業が生まれる技術革新の中心地となりつつあることを示しています。
New Findings(新たな気付き)は?
- 総生産高に占める輸出額の割合は、中国インド共に減少傾向

- 労働集約型製造の分野で中国が減少するも、他の新興国(特にベトナム)がその役割を担う

- スタートアップ企業への投資額はアジアが世界の半分を占める

個人的には最もショッキングなのが、スタートアップ企業への投資額を表した上記のグラフ。
アメリカと中国がほぼ同程度にあることにも驚きますが、日本における投資額の少なさには一層驚かされます。
25億ドルという水準は中国の40分の1で、米中はもちろんのことインドや英仏独、韓国よりも少ないです。
日本におけるスタートアップが低水準にある理由については今後更に調べてみる必要があるかもしれません。
まとめ
わずか16ページのペーパーで(レポートではなく、ディスカッションペーパーと記載)PWCのペーパーに比べるとスカスカで、そんなに新たな気付きも無いのですが、”follow-on research”との表現もあるので今後詳細なペーパーが 発表されてくることに期待したいと思います。更なるレポートが続けばシリーズ化していきたいです。
また、Youtubeにはマッキンゼーのチャンネルもあるので、英語が得意な方は視聴してみてはいかがでしょうか。
《参考文献》
McKinsey