最近流行のインデックス投資。その中でも特に注目度の高いS&P500のインデックスについて考えてみました。ETFと投資信託のどちらで買うべきか迷った時に参考にして見てください。
インデックス投資とは何か?
ここ1・2年で急に知名度の上がった「インデックス投資」という単語。ある種の経済指標(通常は株価指標)に連動するように組成された投資信託商品に投資することを言います。パッシブ運用とも言います。
対義語はアクティブ運用で、ファンドマネージャーが厳選した投資先を組み込んだファンドに投資することを言います。
インデックス投資のメリット・デメリット
インデックス投資(パッシブ運用)とアクティブ運用それぞれのメリット・デメリットで思いつくのはこんなところ。
特に長期投資を行うのであれば、信託報酬の違いは無視出来ません。複利運用なので、数十年後には明確な違いとなって顕在化してきます。
S&P500とは何か?
インデックス投資の中でも特に最近注目度が高いのが、S&P500に対する投資。
S&P500とは、S&Pダウジョーンズという会社が発表しているアメリカで上場しているアメリカの企業トップ500社(現状505社らしいですが)の時価総額加重平均型の株価指数。
アメリカの株価指数として用いられることの多いダウ工業平均が単純平均であることに対して、S&P500は加重平均の株価指数という違いがあります。
上位500社の全上場企業の時価総額80%を占めているとのことで、アメリカという国そのものに投資していると言っても過言ではありません。
S&PダウジョーンズのHPから拝借した業種別の構成比(時価総額)は以下の通り。IT、ヘルスケア、金融と続いています。
企業別に見ると、マイクロソフト、アップル、アマゾン、フェイスブック、バークシャー・ハサウェイの順になってます。
ITだけでなく、金融、ヘルスケア、製造業等様々な企業に間接的に投資することになります。
アメリカの大きな強みは、幅広い業種で国際的に競争力のある企業があること。幅広い業種に投資することで、分散投資の効果も期待出来ます。
ETFはどんな銘柄?
インデックス投資でS&P500関連の投資商品を行おうとした場合、ETF(上場投資信託)か投資信託のどちらを選ぶのか選択を迫られることになります。
ETFの場合、アメリカで上場しているものと日本で上場しているものがあります。上場している以上売り手と買い手がいなければ取引が発生しないはずなので、流動性の高いアメリカで上場しているもののみをここでは取り上げます。
3社からETFが発売されており、以下の通り。
- IVV(i シェアーズ・コアS&P500ETF)
- SPY(スパイダーSPDR S&P 500 ETF)
- VOO(バンガードS&P500)
三つの商品を比較してみましょう。
投資商品としてのパフォーマンスに大差はないのですが、経費率が異なります。
SPYは0.0945%に対してIVVは0.04%でVOOは0.03%。
IVVの経費率がVOOに対抗して値下げされる可能性もありますが、とりあえず現時点ではETFとしてはVOOが有望そうです。
投資信託はどんな銘柄?
一方でS&P500に連動するように組成された投資信託は4銘柄有ります(レバレッジ型はここでは言及しません)。
こうやって資産規模、信託報酬、つみたてNISA対象有無を比較してみると、余程の事情が無い限り、eMAXIS Slimを選ぶのが妥当なところ。
いわゆる「ネット証券」でしか購入出来ませんが、そもそもこの銘柄を選ぶ人はネット証券口座を保有している方が大半なので問題にはならないでしょう。
ETFと投資信託の比較
ではここで、ETFと投資信託のメリットとデメリットを比較してみましょう。
特に注目したいのは、投資信託のメリットとして挙げた、配当金が出ないので売却するまで一切課税されない点。
ということは損益通算を任意の時点で行えるということを意味します。多くの損失を出した年に投資信託を売却すれば節税効果が大きくなります。
また100円以上1円単位で購入できるのも投資信託の大きなメリット。
VOOは現状約270ドルが売買単位ですが、投資信託では半端な額でも入金可能。
大した違いには思えないかもしれませんが、小銭をかき集めて月々入金額を数千円増やしすと数十年間複利運用で回せば有意な違いとなって顕在化してきます。例えば月5000円入金額を増加させた場合、5%利回りで30年間続ければ約400万円にもなります。
まとめ
色々と比較してみましたが、S&P500にインデックス投資したいのであれば、現状ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が最もおススメ出来ると思います。
現在ファンドの純資産額は200億円を超えたところですが、500億を超えると超過部分に対しては信託報酬が0.162%から0.1566%(税込)に減額されるとのこと。
現状のペースでは2019年初頭から120億も増えているので、仮に今のままのペースが続いたとしたら、2020年後半には信託報酬の値下げが期待出来そうです。
株式投資の楽しさには乏しいですが、四季報や有価証券報告書、Form10-K等を読み込んだりファンド同士を比較する手間も省けますし、その時間で人生を豊かにするようなことに集中できるので、ジュニアNISAやiDeCoで投資する方や投資に興味の無い方等におススメ出来ると思います。
S&P500は過去最高の数字まで達していますが、2019年後半米国経済には暗雲が立ち込めているので、後半には買い時が来るかもしれません。米国経済の展望については別途記事を書いていこうと思います。
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