【経済統計・書評】経済統計の活用と論点 第3版 後編

「経済統計の活用と論点 第3版」を読んで、日本の主要経済統計を途中まで紹介していましたが、最後まで紹介し切ろうと思います。

【経済統計・書評】経済統計の活用と論点 第3版 前編

13.企業短期経済観測調査(日本銀行:四半期)

http://www.boj.or.jp/statistics/tk/index.htm/

内閣府の「景気動向指数」と並ぶ主要経済先行指標。無作為抽出した1万社に最近の業況や先行き見通しを回答して貰うもの。規模が大きく、速報性も高い。GDP予想に使えるかと言われると疑問符が残るけど…。

 

14.景気ウォッチャー調査(内閣府:月次)

http://www5.cao.go.jp/keizai3/watcher/watcher_menu.html

景気動向に敏感な2,050人(タクシー運転手、コンビニ店長、遊園地職員、ホテル職員、美容室経営者等)から景気の現状と先行きについて聞き取り。学術的ではないし、網羅性も無いけど、着眼点としては面白い。

 

15.労働力調査(総務省:月次、翌々月末)

http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.html

何故か総務省が公表している統計。特に完全失業率に注目が集まる(一昔前は5%台だった記憶が強いけど、いつの間にかバブル期と同程度までの低水準になっていた)。就業状況は企業の業績の遅行指標であると同時に、個人消費の先行指標であるという特徴があり。個人的には失業率よりも、むしろ就業者数に注目すべきだと思う。例えば2009年後半には63Mだった就業者数は2018年7月には66.4Mまで増加。消費に与える影響は無視出来ない。

 

16.毎月勤労統計(厚生労働省:月次)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/30-1.html

上記の労働力調査と比較して、労働という観点から集計されている統計。現金給与額と所定外労働時間が注目ポイント(と思う)。但し、所定外労働時間は製造業などの需給調整だけでなく、働き方改革の影響も受けていると思われるので、注意が必要。

 

17.職業安定業務統計(厚生労働省:月次)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1b.html

全国のハローワークの求職、求人件数を集計したもの。有効求人倍率(有効求人数/有効求職者数)と新規求人倍率(新規求人数/新規求職者数)の二つの指標がある。下記資料を見ると2009年以降の長期的な求人の改善がよく分かる。

18.消費者物価指数(総務省:月次、翌月末)

http://www.stat.go.jp/data/cpi/index.html

消費者が購入する商品やサービスの価格を時系列で測定するために指数化したもの。天候や原油価格に左右されるので、生鮮食品とエネルギー除きの数値を参照するべき。

《物価については下記日銀レポートも参照》

日本銀行「経済・物価情勢の展望 2018年7月」を読む

19.企業物価指数(日本銀行:月次)

http://www.boj.or.jp/statistics/pi/cgpi_release/index.htm/

上記の消費者物価指数とは違い、企業間取引の商品価格を指数化したもの。こちらでも夏季電力調整後の数字も見るべき。

 

20.GDPデフレータ(内閣府:四半期)

最も包括的な物価指数。指数=名目GDP/実質GDP。おそらく一番分かりにくい指標(だと思う)。個々の最終財について価格×数量で名目GDP、最終財について基準年の価格で生産・支出金額を評価して実質GDPを計算し、その二つの差が事後的にGDPデフレータとして計算される。消費者物価指数とは違い、個人消費だけでなく法人間取引も含まれているし、そもそも算出の考え方が異なる。

 

21.貸出・資金吸収動向等(日本銀行:月次、毎月10日前後)

https://www.boj.or.jp/statistics/dl/depo/kashi/index.htm/

銀行・信金を含めた貸出動向をまとめた統計。後述の貸出先別貸出金とかなり被る部分もあるが、こちらは月次。直近の統計を見ると、地銀の貸出残高が全体を牽引している。理由を深堀したいところ。

 

22.貸出先別貸出金(日本銀行:四半期、2,5,8,11月)

https://www.boj.or.jp/statistics/dl/loan/ldo/index.htm/

国内の銀行の貸出先の業種別の残高等の統計。リンク先の時系列統計データ検索サイトからグラフ描画も可能。

 

23.金融再生法開示債権の状況等について(金融庁:半期毎、2月と8月)

https://www.fsa.go.jp/status/npl/index.html

全国の銀行の不良債権の推移に関する統計。預金取扱金融機関で見ると、不良債権比率は10年前の約半分。3年程前からの良化傾向が顕著。

まとめ

同書で紹介されていた23の経済統計を紹介してみました。今後は個別指標(景気動向指数、鉱工業指数、GDPデフレータ―)等を紹介して、2019年の日本のGDPを占ってみたいと思います。

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