【経済統計・書評】経済統計の活用と論点 第3版 前編

大学院にいた時に受講していた経済統計の授業のレジュメを読み返していたのですが、当時、某中央銀行の支店長だった講師の方が参考文献として紹介していた本を約10年後に読んでみることにしました。

【新『李克強指数』を見つけたい】GDP発表を先取りする方法を考える

本書の特徴

まぁ、第1部の総論部分は正直言って大したことないのですが、注目点は第2部の各論は注目するに値します。主な経済統計が網羅的に紹介されているだけでなく、類似した他の統計との違いや各統計上で出やすいクセ(バイアス)の解説もあります。

注目したい経済統計

ざっと通し読みしてみて、注目に値する経済統計をピックアップしてみました。結局自分としては最終的にGDP成長率を予測して、株式投資に活用したいという意識が根底にあるので、GDPの先行指標を中心に挙げてみました。

1.景気動向指数(内閣府:月次、速報は翌々月の7日14時)

http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

29の経済指標を合成した、日銀短観と並んで最も代表的な経済統計指標。景気動向の力強さを示すCI(コンポジット・インデックス)と景気の方向性を示すDI(ディフュージョン・インデックス)の二つから構成。それぞれ先行、一致、遅行指数がある。

2.家計調査(総務省:月次、翌々月の7日前後)

http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.html

標本世帯に家計簿を記入してもらう調査。消費者物価指数の基準になるなど重要な指標。テレビ番組「秘密のンミンSHOW」で「〇〇県の〇〇消費は全国一」等と紹介される時に参照される統計。

3.家計消費状況調査(総務省:月次)

http://www.stat.go.jp/data/joukyou/index.html

家計調査では調査の難しい購入頻度の低い商品やサービスの消費実態を調べる為の調査。

4.商業動態統計(経済産業省:月次、翌月末)

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/index.html

大手小売業の動態を掴むのにうってつけ。GDPの約6割を占める個人消費の動向は小売業の動向に表れる。

5.消費動向調査(内閣府:月次)

http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/menu_shouhi.html

消費者の消費に対するマインドの指標。上記商業動態統計の先行指標になると考えられる。

6.鉱工業指数(経済産業省:月次、翌月末)

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html

製造業全体の動向を反映する代表的指標。生産、出荷、在庫の各項目の指標が公表されるが、生産だけでなく、在庫循環にも注目したいところ(下図)。

7.法人企業統計(財務省:四半期)

https://www.mof.go.jp/pri/reference/ssc/index.htm

企業の売上高、経常利益、設備投資の推移を捉える指標。特に設備投資は景気の先行指標として注目が集まる。

8.法人企業景気予測調査(内閣府・財務省:四半期)

https://www.mof.go.jp/pri/reference/bos/results/index.htm

上記と同様に設備投資の動向を示す指標。さらに各企業の考える市況見通しも集計。

9.機械受注統計(内閣府:月次)

http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/menu_juchu.html

主要機械メーカー280社の受注実績を集計。受注数なので実際の設備投資に対して3か月程先行する指標となる。中小企業は対象外。

10.第3次産業活動指数(経済産業省:月次)

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/sanzi/index.html

鉱工業指数と対となし、サービス業の動向を示すデータ。今回の台風21号、北海道地震がどのような影響を与えるのか個人的には気になる指標。

11.全産業活動指数(経済産業省:月次)

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/index.html

前述の鉱工業指数や第3次産業活動指数に建設業活動指数を加え、加重平均したもの。

12.特定サービス産業動態統計調査(経済産業省:月次)

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/index.html

サービス業の中でも特定の業種の動向に注目したもの。広告業、遊園地、ゴルフ場等景気動向に影響を受けやすい業種が多い。調べたい業種が決まっている場合にはかなり有用。クレジットカード業取扱高の力強い増加が印象的。

 

もうこの辺で大分お腹一杯になってしまったので、続きは後編へ。まだ続きます。

【経済統計・書評】経済統計の活用と論点 第3版 後編

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