日本株の投資家が四季報を読み込む様に、中国株をスクリーニングする為には資料が必要なので、DZHフィナンシャルリサーチの「中国株二季報 2018年夏秋号」を初めて購入しました(これまでは図書館で借りるだけでした)。
当然著作権があるので、各個別ページを紹介することは出来ませんが、独自のスクリーニングの結果、気になった銘柄を記しておこうと思います。
中国株二季報の特徴は?
- 香港株だけでなく、深セン株、上海株の計753銘柄紹介(深センと上海はごく一部のみ)
- 日本では情報の極めて少ない企業についても会社概要を紹介
- 意外とありがたいのは、株主が紹介されていること(中国では株主が政府もしくは省政府系か民間かによって立ち位置が大きく変わってくる為)
- 今回の巻頭では、小売、スマホアプリ、新エネルギー車、教育の業界構図を紹介
独自スクリーニング条件は?
以下の独自の条件でスクリーニングをかけてみました。
- 収益性、成長性、安定性、株価、配当から配点した5段階評価(AからE)のうちAかBであること
- 最低売買価格が30万円以下であること
- 予想PER・実績PER共に20倍以下であること
- PBRが3倍以下であること
- 配当利回りが3%以上であること
- 環境に負荷の少ない業種であること(製鉄等の金属精錬や、石油、石炭業界等の資源採掘系は除外)
- 当たり外れの大きいバイオベンチャーやスマホゲームも排除
- リスクが高いと思われる不動産ディベロッパーも除外
- 主要株主等に中央政府や省政府、市政府、人民解放軍系のフロント企業等がいないこと
探し当てた銘柄は?
ということで、パラパラとページをめくって、スクリーニングしてみました。各企業一行程しか説明しないので、気になった方は証券コードからご自身でお調べ下さい。なお、証券コード順です。
- 恒生銀行(香港:00011) HSBC傘下の香港の地場銀行
- 第一太平(香港:00142) インドネシア系華人の食品・通信コングロマリット
- 建滔化工集団(香港:00148) ラミネートやプリント基板大手
- 東岳集団(香港:00189) 山東省に本社。エアコンや冷蔵庫の冷媒大手
- 信徳集団(香港:00242) カジノ王スタンレー・ホー氏創業。香港・マカオ拠点。
- 阜豊集団(香港:00546) 化学調味料で世界最大手
- 裕元工業(香港:00551) スポーツシューズ製造請負の世界最大手。台湾系。
- 通達集団控股(香港:00698)スマホや家電等の金属外装製造
- 佐丹奴国際(香港:00709) 香港のファストファッション「Giordano」展開
- 勝獅貸櫃(香港:00716) 世界2位のコンテナメーカー
- 信義光能控股(香港:00968) 太陽光発電用ガラス製造の世界的大手
- 美聯集団(香港:01200) 香港の不動産仲介大手
- 広匯宝信汽車集団(香港:01293) 高級外車ディーラーチェーン
- 広発証券(香港:01776) 証券大手では唯一の非国有系
- 山東晨鳴紙業(香港:01812) 大手製紙会社。
- 九興控股(香港:01836) 靴のOEM・小売
- 建滔積層板(香港:01888) 建滔化工集団傘下。プリント基板大手
- 中国聯塑集団控股(香港:02128) ポリ塩化ビニル製の配管製造
- 理文造紙(香港:02314) 段ボール原紙やティッシュ製造
- 長城汽車(香港:02333) 非政府系自動車メーカー。SUV等強い
- 中国太平洋保険(香港:02601) 大手生保
- 玖龍紙業(香港:02689) アジア最大の段ボール原紙メーカー
- 龍工控股(香港:03339) ホイールローダー等の建機製造
- 中国動向(香港:03818) スポーツ用品製造販売の大手
気になる銘柄は?
スクリーニングで国有系企業を排除したので、知名度の低い地味な企業しか残っていませんが、特に東岳集団や阜豊集団、信義光能控股あたりは国際競争力がありそうで、投資適格だと言えます。あと製紙業が3社ランクインしていることは新たな気付きに繋がったので、中国の紙事情についても近い内にまとめてみたいと思います。
24社をピックアップしてみましたが、あくまで私個人のスクリーニング条件に基づいています。是非、ご自身で中国株二季報を購入して詳細を確認し、投資判断をお願いします。
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