【地味すぎる米国株】タッパーウェア 独自の販売手法が強み

 

今回は地味すぎる米国株の第三弾として、タッパーウェア・ブランズ・コーポレーション(ティッカーシンボル:TUP)を取り上げてみます。日本でもそれなりに知名度がある会社ですが、NYSEに上場していることを知っている方は殆どいないと思われます。米国株をやっているのは概して意識の高い方が多いので、こうした銘柄に注目することは少ないと思うのですが、敢えて取り上げてみました。

タッパーウェア・ブランズ・コーポレーションって何の会社?

  • 本社はフロリダ州オーランド
  • 主業は食品容器の「タッパーウェア」ブランド
  • 他にも健康食品や化粧品事業もあり
  • 時価総額は21.54億ドル(2,420億円)
  • 2017年売上高は約22億5580万ドル(約2,536億円)
  • 約100カ国で展開中
  • 従業員数は12,000人(うち米国内は1,000人)
  • 登録販売員は全世界で320万人!(ちなみに中国の人民解放軍は総兵力約200万人)

 

強みは?

TUPの最大の特徴は製品販売手法にあります。TUPのホームページでは”Relation-based selling”と呼称していますが、個人事業主(個人コンサルタント)として登録し、個人宅でタッパーウェア製品を使った料理レシピの講習会等を開催して、1対1型の営業活動を行うというもの。販売額に応じて報酬が支払われます。こうした販売会は「タッパーウェア・パーティー」と呼ばれています。肯定的な方は「ネットワークビジネス」、否定的な方は「マルチ商法」と呼んでいます(ただ、顧客を紹介したらフィーを貰うというビジネスモデルは広く普遍的なものではありますが…。)

販売員の自宅でもパーティーを開催出来る上に、パーティーの開催日時や時間などの調整が出来るので、主婦の方が副業として始めるケースが多いそうです。

アメリカの小売業は巨人Amazonの登場によって、玩具販売のトイザらス、レンタルチェーンのブロックバスター、家電販売のラジオシャック等の全米チェーンが経営破綻している中、TUPが持ちこたえているのはターゲット層が異なるからだでしょう。

 

エピソード

キューバ危機の際のケネディ兄弟やホワイトハウス関係者の苦悩を描いた「サーティーンデイズ」という映画では、キューバ海上封鎖を巡って議論が交わされる中、ロバート・ケネディ司法長官と主人公ケネス・オドネルの次の様な会話が交わされています。

ケネディ「ところで、中国がインドに侵攻したそうだ。」

オドネル「冗談だろ?自由世界がいつから世界の嫌われ者に?」

ケネディ「さあな。タッパーウェア・パーティーのせいかな?

あくまで映画のセリフなので、本人達が語ったかは分かりませんが、少なくともアメリカ社会の中ではそれなりの知名度があるようです。

 

株価は?

10年来株価は以上の通り。2013年末に95ドルに達してからは徐々に下がり、現在は42ドルと最高値から半分以下にまでなっています。

Bloombergによると、PERは10.68、PBRは記載無し、配当利回りは6.46%となっています。

ちなみにTUPの2017年純利益は赤字。資料1のForm10-K(有価証券報告書に相当)を眺めてみましたが、営業黒字であるものの、”Provision for income taxes”日本語に訳すと「法人税引当」で赤字になっているようです。突然引当が大きく伸びた理由は”Impact of changes in U.S. tax legislation”と書いてありますので、アメリカ国内の税法改正の影響によるとのこと。この影響は今期以降も継続する可能性があります(1Qは黒字化していますが)。

IRページでも紹介されていますが、2007年以来13億ドル(1,450億円)を自社株買い(Repurchase)してきたという特徴もあります。今年の4月にも今後数か月で2億ドルを自社株買い追加投入するとのことで、時価総額を考えると株価維持にはかなり積極的です。

今後は?

実は売上の91%が米国国外からもたらされるという、もはや米国企業とは言えない位に多国籍化しています。TUPにとって最大の市場はブラジルで、2017年は3億ドルを超える売上(約335億円)を稼ぎ出したとのこと。それに北米事業(アメリカ・カナダ)の2億ドル超、中国の2億ドル超が続きます。新興国(emerging market)からの売上は69%を占めており、小売業の組織化・洗練化が進んでいない国においては(特に女性の社会進出が進みつつある国)、更に拡大の余地がありそうです。同社のビジネスは特に店舗や高度な配送網等も必要ない上に、普遍的な製品を扱っているので、南アジアやアフリカでも十分に拡大可能だと思います。

配当利回りが5%を超えているので、中々魅力的。資料2では配当金の履歴が載っていますが、ここ4年程はずっと四半期毎に0.68$で配当しているので、ポートフォリオに組み入れてもいいかもしれません。

 

今回は販売手法で強みのあるタッパーウェア・ブランズ・コーポレーションについてまとめてみました。今後はもう少しアメリカの小売業についても解説してみたい思います。

 

※ちなみに、同社が上場していることを知って、「じゃあAmwayも上場しているのかしら?」と考える方もいるかもしれませんが、Amwayは過去には上場していましたが(日本法人も)、上場廃止したそうです。残念。

《参考資料》

1.Form 10-K

https://otp.tools.investis.com/clients/us/tupperware_brands/SEC/sec-show.aspx?Type=html&FilingId=12582798&CIK=0001008654&Index=10000

2.Dividend history 配当金履歴

https://www.nasdaq.com/symbol/tup/dividend-history

 

《シリーズ過去リンク》

【地味すぎる米国株】コーニング スマホパネルの世界最大手

【地味すぎる米国株】サービス・コーポレーション・インターナショナル 世界最大の葬儀社

Please follow and like us:

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です